忍者ブログ
08 2017/09 1 23 4 5 6 7 8 910 11 12 13 14 15 1617 18 19 20 21 22 2324 25 26 27 28 29 30 10

飲んだくれながらフェイダーを上げたり下げたり。幕が閉まると観客が地明かりを求めます

09.23.21:49

[PR]
  • [CATEGORY:

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

07.23.13:38

真夏の夜の夢
  • [CATEGORY:日記 COMMENT:1 TRACKBACK0]


演劇人らしいタイトル。


本日は小説を投稿しました。真夏の夜に見た夢の話です。
一応下敷きもあるんですけどわかった人ご一報ください。


では

車行きこう向こう側

 



 車行きこう向こう側

 

作 あるとにあ

 

町を歩くという行為はとても危険なことだと思うのです。家の扉から向こうの世界で一番弱いのは歩いている人だからです。例えて言うならば、何の能力もたない、勇者にすがるしかない惨めな村人Aのような存在なのです。自家用車のように力はなく、自転車のように小回りも利かない。バイクのように好き放題に走れない。どんなに遅い大型車やスクーターでもそれは同じです。そしてこれらの存在を、歩いている人以外の括りでまとめて一言で言うならばみんな車なのです。威力は違えども簡単に歩いている人を殺めることができます。じゃんけんのように、お互いが相殺し合う関係ならいざ知らず、歩いている人と言うのは一方的に他のどの手段ともに負けてしまうのです。こんな理不尽がほかにありましょうか。日本は資本主義になったばっかりに、子供にまでこの殺人兵器的乗り物を暗黙の中で強要しているのです。そして、それらがないと不便になるように土地を改造してしまったのです。確かに、便利ではありますが恐ろしいほどのリスクが伴うのです。それに気が付いている人は一体何人いたものか知れません。しかし、そんな虐げられた交通手段である歩くという行為にもいいことはあります。例えば、いろいろ歩いてみると他のものでは見えない素晴らしい景色が目の前に広がっています。大きな建造物、太陽の光を浴びて光る緑。道路の隅に咲く小さな花。思わず驚いてしまう景色であふれています。気付かないうちに建設された新しい飲食店。知らない間に私の身長を越えた向日葵。私とすれ違って行く人々の笑い顔。これらは、歩いていないと気付かないものです。歩いている感触は私に元気と達成感を与えてくれます。道路の感触を一歩一歩踏みしめて歩くのです。これが人間のあるべき姿だと思います。そして、向こう側の歩道つまり、反対車線にも目が配れます。これは、どの交通手段にも出来たものではありません。そんなことを考えていた最中に、私は初めてあなたの顔を見ました。


 歩道と言う存在は、歩く人の為の道ではない。少なくとも車はあまり来ないが、確実に来ないわけではない。バイクもそうだ。自転車に至っては、常に私たちの隣を走っている。結局歩く私たちの為の安息の場所などないのです。あの私の膝まである高いブロック塀は何のためにあるんでしょう。転々と存在して、隙間だらけ。そのクセ高くて長いから次の隙間へ行くのにとても時間がかかる。隙間から少し足を出して反対側を見れるように前かがみになってみる。向こう側の相手が見えるように。バス停の傍でバスをしきりに待っているあなた。しかし、大きな車が走っているために向こう側のあなたが途切れ途切れにしか見えない。こんな殺人的移動手段に負けまいと、次はブロック塀に上がって覗いてみた。やっと見つめることのできるほどのあなたに出会えました。あなたも私に気がついたが、その時のあなたの目はとても冷たかったのを覚えています。そして、あなたの口美しいから出た私に関する一言は、あなたのご友人から聞いたのですが、私があなたにつきまとっていて困っているという。内容だったそうですね。あなたは、バス停でバスを待ち、ついにはその殺人兵器的移動手段に乗って消えて行ってしまいました。しばし放心したのち、ブロック塀の見晴らし台を降りて足元に引かれている白線を見つめると無性にこの線を消したくなりました。私はそばにあった石ころで、自分の足ものと白線を消していきました。いとも簡単に削れていくので、周りの障害なんてこんなものなんだと思いました。警官が何人も私を止めようとしましたが、私はその警官どもを振り切って逃げながら、私はあなたのまわりの白線を消していきました。時には、警官だけでなく友人と言い争いをしたものです。ある日は、白線を消しているうちに友人の一人にぶつかり大喧嘩をしました。友人も白線を消そうとして私に先を越されたのをよく思ってなかったようです。その消した分を横取りしようとしました。しかし、私は逆に友人の白線も奪って白線を消していきました。そんな、男同士のケンカの最中をあなたはまた向こう側のバス停見ていたようです。私とあなたとの二回目の出会いでした。バス停のあなたは少し目を潤ませて私の方を見ていました。私は白線を削った後の石灰だらけになっていましたが、それでもあなたの手を取って涙をふくためのハンケチを手渡して拭きなさいの一言を差し上げたかったのですが、わたしの目の前には、白線を取り除いたとしても大量の車が行きかう二車線が寝そべって車どもを誘導しています。私は自分の無力さに腹が立ち、自分が唯一消すことのできる白線をただただ消す続けました。その姿をあなたはいつから見ていたのでしょうか。気付けばあなたはバス停から姿を消していました。私は少し悲しくなりました。その悲しさを消すために白線に石を差し込んで削っていました。すると、さっきまで向かいにいたはずのあなたが、横断歩道を渡って私の前に現れたのです。私はずっと横断歩道の白線を消していたようです。あなたとの初対面でした。


 私は、石灰だらけの手を自分のみすぼらしい服のポケットに入れくしゃくしゃに丸めたハンケチを取りだして、あなたの涙をふきました。あなたは私を見て急に私の手を取って引っ張って行きました。私の為に着物屋へ行き、上等な布を一反買いつけると、そのままそれを背広にするように着物屋に言いました。着物屋も驚いた顔をしていましたが、すぐに取りかかりますので少しお待ちください。二、三日で作りますと言いのこすといそいそと奥へ引っ込んでいきました。その後すぐに布を裁断する音が聞こえました。それを聞いて満足したあなたは、向こう側にバスが来たと言って横断歩道を渡ってバスに乗ってどこかへ行ってしまいました。私は、次はいつ会えるのかと思いながら家路につきました。それから、あなたのことを考えない日がありえなくなりました。7日に一回はあなたのいるあのバス停へ行きました。その時の服装はいつも決まってあなたが選んだ一反で作ったあの背広です。あの背広は結局自分で3日後に取りに行きました。私には少し大きかったのですが、まだ成長するでしょうと言われてそのまま着て帰りました。その日から、毎7日後とに、この背広を着ているのです。いつしかその背広服には、何かが足りないとあなたが言いはじめました。あなたは、私に背広に合うネクタイを下さいました。それ以来7日には背広とネクタイをきちんと身につけてあなたに会うようになったのです。

 

 車の類と言うやつは、どこまでも歩いている人間の邪魔ばかり。私は、もとからこの世界が好きではありませんでした。それは、あなたに出会ってからも変わりません。自分の利益の為だけの車。人に気を配ろうとすれば、誰かの反感を買います。そうです。道を譲ったとしてもあなたの後ろの車はそれをきっと批判するでしょう。脇道の車を大通りに入れてあげたら、入れてくれた人は、あなたに感謝するでしょうが、後ろの人はきっとそれがいい行動とは見てくれないでしょう。そうゆう世界なんだ。私は、これでも二十歳になりますが、もう、こんな外の世界に嫌気がさしています。私が裕福な家に住んでいないからではありません。私だって、バスの片道切符くらい買えるだけのおこづかいをもらっています。そんなことを、ぐるぐる考えていても、あなたと一緒にいるときだけはそれすらも忘れさせられたものです。いつもの公園のベンチであなたを待つ私は、あなたにはどう映ったでしょうか。あなたは、このごろずっと母のようにはなりたくないとおっしゃります。私はそのようなお気持ちはよくわかりませんが、私たちが同じような状況に置かれているような気がして、私を悪魔がせかしていきます。そのころに、車に生まれて初めて乗りましたが、生きた心地がしませんでした。私たちは、一緒にいる間は幸せでしたが、お互い別れた後は地獄や煉獄とさして変わりません。毎日郵便を確認する手が震えます。あなたからの手紙が楽しみです。しかし、その手紙を届ける車は相変わらず嫌いです。私とあなたの邪魔をするのです。この間も、あなたを迎えに来た車の運転手にけがらわしいと言われました。車に乗っているだけでいつも言われている言葉がさらに憎らしさを増します。私たちは、悩みながらともに手を取って生きていきました。しかし、やはり車は私の敵です。車は、私の愛するあなたさえも船で行く向こうの世界に連れていくというのです。あなたが手紙にそう書いてありました。インクが涙で滲んでいました。


 私たちはすぐに行動に移しました。私は、あなたにバス停でいるように言いました。私は、バス停の向かいであなたがくるのを待ちました。お昼の一番街が騒がしい時間に反対車線を私はずっと見つめていました。すると、向こうからあなたがやってきました。私は、あなたに手を振ってそのあげた手を前に持ってきてこっちにおいでをしました。あなたは驚いていましたが、あなたも手を前に持ってきてこっちにおいでをしました。私たちは一緒に道路に飛び出しました。

 

私は、いつもの背広姿。もちろんネクタイを忘れてはいない。

あなたは、水色のコートにルージュの口紅。

クチナシの花弁を胸に

頭を割られて空へ昇りましょう。

もしかしたら、天の川で出会えるかもしれません。溺れてでもまた会いに行きます。

 

LOVE END?

拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

無題

なんか昭和の香りが漂うね
学生帽子と彼岸花が脳裏に浮かんだよ
ハンケチとかなんか昭和っぽい

  • 2011年07月27日水
  • (´・ω・`)
  • 編集
Re:無題
訳あり心中事件を下敷きにしたからね
2011/07/28 14:19

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら