劇薬と黒Tシャツ

小説更新「机の上のカボチャも笑う」

年の終わり目はきっと何かがやってくる

私の目の前には

何かがやってきている

そんなお話です



PS　この間の日記に拍手コメントをくださった方（実名だったのでここには書けませんが）ありがとうございます
機会があれば、またよろしくお願いします。
私も楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

   
ねえ、ねえ　お父さん　今日は、ハロウィンだね
ねえ、ねえ　お父さん　今日は、学校でカボチャのランタンをつくったよ
ねえ、ねえ　お父さん　カボチャのクッキーは家にあるかしら。
ねえ、ねえ　お父さん　魂のケーキはもう焼いてくれた？
ねえ、ねえ　お父さん　これから、お菓子をくれなきゃいたずらするぞって言いに行くの。
 
みて　みて、お父さん　私ね、魔女の服を着るんだよ。
みて、みて　お父さん　お母さんが、箒も帽子も作ってくれたんだよ。
みて、みて　お父さん　私に魔女の服にあってる？
みて、みて　お父さん　靴まで真っ黒なんだよ。可愛いでしょう？
 
そう、そう　お父さん　今年はお父さんが一緒に脅かしに行くの？
そう、そう　お父さん　今年はたくさんお菓子がほしくて大きなバスケットにしたんだ。
そう、そう　お父さん　お父さんのその服面白い！レジ袋の色になれるお洋服だ！！
そう、そう　お父さん　でも、お父さんの体に私の手が通るよ。とっても面白い！！
そう、そう　お父さん　その服どこで売っているの？　私も欲しい！！
そう、そう　お父さん　今までどこにいたの？私たちいっしょうけんめい探したんだよ
もう、お母さんを泣かさないでね。家族でずっと一緒にいようね。
 
ねえ、ねえ。みて、みて、そう、そう　そこだよ。お母さん。そこにお父さんがいるよ。
 
六年前の今日、死んだはずのお父さんがそこにいるよ
 
おかあさん…。
 
 
END

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