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飲んだくれながらフェイダーを上げたり下げたり。幕が閉まると観客が地明かりを求めます

11.22.04:48

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08.14.17:17

賑やかなご帰宅

お盆まっただ中ですね。
今日は特にご先祖様がお帰りになる時期です。そして、そうゆう話です。
小説は下)
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 にぎやかなご帰宅
 
作 あるとにあ
 
私は、とある商社に勤めるサラリーマンだった。今日でお盆前の仕事は片付きお祝いに後輩を一人誘って酒を飲みに来た。後輩は、うちの会社に入ってからまだ半年しか経っていなかったが過去の経験から私の役に立ってくれるいい後輩だ。よく働きみんなからの信望も厚い。いい後輩を持ったと自慢できる。そんな誇れる後輩といえば、私と酌み交わした酒で早くも顔を赤くしている。後輩は私に言った。先輩は、いつご実家に帰られるのですか?と。私は質問に困ってしまった。実は私は世間体的には親不幸と呼ばれている部類の人間で実家に帰りにくいと思っていたからだ。後輩には、罪はないがそっけなくお前はどうなんだ?と聞くのが精いっぱいだった。後輩は、顔を赤くして僕は帰りますよ。と嬉しそうに言っていた。後輩が言うには、彼はこの時期にしか家に帰らないと決めているそうだ。私なんか、入社して半年はよく実家に帰ったものだ。彼の心がけは素晴らしい。そんな話をしているとふとある疑問が頭をよぎった。その疑問を後輩に聞いてみた。そこからこの者語りが始まる。「君の実家はどこだったかね」と。
私と後輩である彼の実家は本当に目と鼻の先であった。出会ったことのないほうが不思議であるぐらいに傍にあった。後輩はその事がうれしかったのか、私と実家に帰りたいと言い始めた。めったに要望を言わない後輩だったもんだからついつい構わないと言ってしまった。私たちは、こうして8月の13日目に実家を目指して帰ることになった。
 二人で仕事について話をしていたらいつの間にか地元県の県境までやってきた。ここまでは私たちサラリーマンなら簡単に来れる。ここまでは。ここから先は迷子を覚悟していかなければならない。こう出世コースから外れると家にもまともに帰られないから困ったものだ。後輩もそろそろ困った顔をしている。彼は始めて帰るからなおのことだろう。だから彼を励ますために何かを言わないと、と思いとっさに「提灯の明かりがすぐに見つかるといいな」と。自分の心にも言い聞かせてた。
後輩はすこしほっとしたようでゆっくり県境を地元の方へ向って行った。私も隣で歩いて恋人みたいで気持ち悪いかもしれないが一緒に県境を越え地元県に入った。そこから、町の看板を参考に県庁所在地を目指した。確か、その近くだった気がしたからだ。地元なのにほとんど何も覚えてないのはやっぱり出世から外れたからだろうか。後輩とやっぱり仕事の話をしながら市内を目指していると遠くから鐘の音がした。それは、どんどん大きくなり、太鼓や篠笛の音も加わって下駄の音も聞こえてきた。「そうか、阿波踊りだ」思わずつぶやいた。たくさんの人が手をあげて腕を振り笑顔で踊っていた。団扇が宙を舞い、辺りは熱気が感じられる。辺りは大量の提灯に明かりがつけられたくさんの掛け声と声援が入り混じり、美味しそうな食べ物を売る屋台が並んでいる。「家族で回りたかったな」と思わず言ってしまった。後輩は私を見て、僕もです。と答えた。
あちこちを見て回っていると、自分達と同じ境遇のサラリーマンを何人か見かけた。彼らは少し戸惑いながら踊りを見ていた。私たちは彼らに声をかけてみた。彼らは、久しぶりに見る阿波踊りに楽しそうでもあったが困ってもいた。自分の家の提灯が見つけられないのだという。それを聞いた私たちも本来の目的をもう少しで忘れてしまうところだった。しかし、これが阿波踊りなのだ。と彼らも交えて有名連を何連か見てからお互い提灯の明かりが見つかるように祈り合って別れました。別れた後私たちは顔を見合わせました。にぎやかな阿波踊りを後ろに振り返らずに住宅街へ急ぎました。早く帰らないと朝が来てしまいそうだったからです。しかし、ここまで来ると提灯の明かりないと家には帰れません。やっぱり出世は目指した方がいいみたいだ。後輩が、最近通販で家をうすぐに見つけられるという商品を買えばよかったのですがあれは私の夏のボーナスの5倍の価格でした。家より高いのです。さすがにそこまでは無理です。と言っていた。どこも資本主義でときどき嫌になるがおかげで私はこうしているわけだしと二人であきらめて提灯の明かりを探しました。「提灯の明かりってアレでいいのか?」後輩の目が明るくなりました。
かなり阿波踊りの会場から離れた場所まで来てなかったら取り越し苦労なんてものじゃないところであったが、幸い私は自分の家の提灯の明かりを見つけることができた。確かに私の遺産で作った一軒家だ。息子が私のお気に入りのソファーでテレビを見ている。娘は相変わらずパソコンで作業している。最近本を仏壇にこっそり置いて言ったのを私は知っている。嫁が料理をしている。私だけが食べられないのは残念だ。窓から覗いていると、後輩も元気な声で「僕の家もありました」と報告してくれた。
私たちは、よかったとお互いの家を今年は見つけられたことを喜び合った。はたから見れば恥ずかしいおかしな光景であったであろうが、どうせ私たちは同類にしか見えないのだ。同類なら事情を説明すればわかってくれる。なりふり構わず喜び合ってしまった。不覚にも、後輩もいつもあまり笑わない私を見て驚いていた。そして、私たちはお互いの家に入ることにした。後輩も私も手をあげて「また会社でお会いしましょう」といって…
 
こうゆう事情があって私は今やっと家の前に立っている。さて、家に入るとしますか・・・
 
やっと家の扉をすり抜けられた
「やい、父さんが帰ってきたぞ!」聞こえないってわかっていたから大きな声で言ったら
普段、画面から顔を放さない娘息子と包丁が怖いからまないたから視線を外さない嫁が一斉に私のいる方を見ていた。顔が赤くなった
 
END
 

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