11.24.15:34
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08.05.10:48
登校日と小説更新。
本日、本当は登校日だったと思うのですが、行く元気がありません。
行かないといけないんですけど。。。
紙も切りたいんだけど・・・
自転車がないとどこにも行けないこの街が便利だという皆さん
勘弁。
では、本日も小説更新です。
本日は、書きだめしていた分です。
テーマは…。
重い?
ではどうぞ下より。
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祈り合う核家族
作 あるとにあ
むかしむかしあるところに、自分の左手が手首から指先、はたまた爪の中まで紫色になってしまった少女がいました。少女は紫色になった自分の左手を気に病んでしまいました。それを見た少女の両親は少女に家の近くの礼拝堂へ行ってお祈りをしてくるように言いました。その間に両親はかかりつけの病院へ電話をしているからと言って少女を送り出しました。少女は家から出たくない気分でしたが、両親があんまりにも気味悪がって家から追い出そうとしますので、しかたなく礼拝堂を目指そうと靴を履こうとしました。しかし、靴を履こうとして左手で靴を押さえると紫色の指が見えて悲しくなりました。なので少女は母親に手袋がほしいと頼みました。しかし母親は、手袋なんてしても同じだと言って少女を家から追い出してしまいました。少女はしかたなく、とぼとぼと礼拝堂を目指して歩いて行きました。かくして、そんなことでこの左手が紫色の少女は礼拝堂を訪ね神様の前でお祈りをしているのでした。右手と左手の指をからませて両足を床につき頭を下げてただひたすらにお祈りました。両親が喜んだ顔で私を迎えに来てくれてそのまま病院に行き、お医者様が言うのです。このくらいならなんでもないですよ。お薬さえ飲めばすぐに治りますよ。それから、みんなで笑いながらお家に帰る。その結末になるようにひたすら祈っていました。なぜ私がそんなに此少女に詳しいって?少女から直接聞いたからだよ。
ここで、少女に送る私の視線を少し外してみましょう。思考を切り替えてみましょう。この礼拝堂には二組の核家族がおりました。お父さん。お母さん。お姉さん。お兄さん。赤ちゃん。の五人です。つまり、10人の人がいるわけです。一つ目の核家族はどこにでもいるような核家族でした。が、もうひと組の家族は、家族全員が、全身真紫でした。まるで絵具をかぶったかのように頭の先から足の先まで真紫なのです。そして、この二組の家族お互いが瓜二つなのです。双子のように瓜二つでした。お父さんも、お母さんも。お姉さんも、お兄さんも。もちろんお母さんに抱かれている赤ちゃんもです。髪の長さ・顔・身長に、靴の大きさ・好きなブランド品・好きな色・持っている物まで瓜二つでした。そんな、二組の家族はお互い肩を抱きよせ、抱き合いながらお祈りをしていました。どこにでもいる家族たちが言いました。私たちあなた達家族と一緒でよかった。すると、真紫の家族がどうして?と聞き返しました。どこにでもいる家族達は言いました。だってあなた達と抱き合えるんだもの。と。それを聞いた真紫の家族は言いました。私たちあなた達家族と一緒でよかった。すると、どこにでもいる家族がどうして?と聞き返しました。真紫の家族は、だってあなた達を抱きしめられるんですもの。と言いました。二組の家族はまた抱き合いました。今度は力強く抱きしめあっていました。私にはそう見えました。きっと気のせいではないでしょう。そのくらい二つの家族はお互いが大切な存在だったのです。
ここで、視点をお祈りしている少女に戻しましょう。礼拝堂でお祈りしていた少女は泣いていました。夕方になっても両親は礼拝堂へは来てくれなかったからです。夜になっては夜道を一人で歩いて帰れませんので、少女は両親が迎えに来てくれることを夢見たまま、礼拝堂を去ろうとしました。私は、少女に一言言わなければいけないような気がして、少女の元へ行こうとしましたが勢い余ってすれ違ってしまいました。その時彼女の左手が私の右手に当たりました。私は自分の右手が変な気がして見てみると紫色に少しなっていました。それを見て私にはあることが頭をよぎりました。すぐに泣きべそをかいて、礼拝堂から出て行こうとする少女のその紫色になってしまった左手を勢いよくつかみました。泣きべそをかいていた少女は驚いていました。私は、少女に言いました。水場でその手を元通りにしてあげるよ。少女は、何が起こったのかわからないといった顔をしていましたが、私はお構いなしに少女を水場に連れて行って紫色になってしまった左手を洗ってあげました。見事に紫色は元の肌色に戻っていき、少女の顔はどんどん笑顔になって行きました。お話はここでおしまいです。
ここで、最後に視点を少女から、少女の両手に当てましょう。先ほどの礼拝堂にいた二組の家族です。二組とも気持ちよさそうに水浴びをしていました。お互いの体を洗い合うほど仲良しです。真紫の家族はどこにでもいる家族と同じ色になっていました。私の顔にも笑みが浮かびました
END
こんにちは!
いつもお世話になっております。
七瀬 夏葵(ななせ なつき)です。
今回もまた、グリムな空気のお話ですね。
家族の少女に対する扱いに、なんだか『にんじん』というお話を思い出しました。
私は家族という単語にとことん弱いのですが、今回の作品はのっけから泣きそうな感じでした。
少女がこの後どうなったのか?
とても気になるところです。
教会にいた二組の家族の姿は、とても美しいなと思いました。
あんなふうに信じ、互いを認め合えるのは、凄く素敵な事だなぁと、ちょっと感動してしまったくらいです。
毎度のことながら稚拙な感想ですいません(滝汗)。
次回作も楽しみにしていますね!
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