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飲んだくれながらフェイダーを上げたり下げたり。幕が閉まると観客が地明かりを求めます

04.19.10:14

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03.03.21:14

小説「すれ違いで大成功」

概要

ミクシィの小説コミュにて

お題は、コミュの人の小説を真似するというものです。

その作品は公開することはできません。ご了承ください。

では

どうぞ。

 すれ違いで大成功
 
作 あるとにあ
 
むかしむかし、西の町には
小さな小さな町がありまして、
そこに、ひときわ小さな小さな
男が住んでおりました。
男の名前は一寸法師と言いました。
 
むかしむかし、東の町には
大きな大きな町がありまして、
そこに、ひときわ大きな大きな
男が住んでおりました。
男の名前は、ガリバーと言いました。
 
ある日のことでした。
 
一寸法師は、自分の住む小さな町の
小さな酒場でため息をつきながら
小さな小さなグラスでお酒を飲んでいました。
 
ガリバーは、自分の住む大きな町の
大きな病院の中で聴診器を片手に
大きな大きな患者の診察をしていました。
 
一寸法師は、酒をあおり冒険記を読みながら言いました。
「あぁ、ガリバーほどの大きさの体であったなら
この衰えた体でもたくさんの鬼を退治することができるのに。」
 
ガリバーは、日本人の患者さんが話す昔話を聞き終えて言いました。
「あぁ、一寸法師ほどの小さな体であったら、
患者の体に入り込んで確実に治療してやれるのに。」
 
また、ある日のことでした。
 
一寸法師は、今日も小さな小さなグラスに
小さな小さなバーのマスターが
小さく小さく注いでくれたお酒に
大きく大きく酔いしれていました。
 
一寸法師は、その小さい口で言いました。
「あぁ、ガリバーほどの大きさの体であったなら、
この衰えた体でもたくさんの鬼を退治することができるのに。」
それを聞いた小さなマスターが言いました。
 
「そういえば、西と東の真ん中にある泉はどんな願いでも叶えてくれるそうだね」
 
一寸法師の心に小さな勇気がわき上がった瞬間でした。
 
ガリバーは、今日も病院の中で
大きな大きな患者さんと
大きな大きな声で
小さな小さな相槌を入れながら話を聞いていました。
 
ガリバーはその大きな口で言いました。
「あぁ、一寸法師ほどの小さな体であったら、
患者の体に入り込んで確実に治療してやれるのに。」
それを聞いた患者さんが言いました。
 
「そういえば、西と東の真ん中にある泉はどんな願いでも叶えてくれるそうだね」
 
ガリバーはすぐに病院を辞め、旅の支度をし
玄関を閉めると西に向かって歩き出しました。
 
 
一寸法師は西の町から東に
ガリバーは東の町から西に
大きな希望と
小さな勇気は
どんな願いでもかなえてくれる泉を目指して
小さくも大きな一歩を踏み出しました。
 
 
そのお話が物語になった頃
 
小さな一寸法師と
大きなガリバーは
真ん中の泉に同時にたどり着きました。
 
一寸法師は言いました。
「君はどんな願いを叶えに来たんだい?」
ガリバーも言いました。
「君もどんな願いを叶えに来たんだい?」
なら、同時に言おうと決めあうと言いました。
「あぁ、ガリバーほどの大きさの体であったなら、
この衰えた体でもたくさんの鬼を退治することができるのに。」
「あぁ、一寸法師ほどの小さな体であったら、
患者の体に入り込んで確実に治療してやれるのに。」
 
一寸法師は、小さな声で大笑いました。
ガリバーは、大きな声で苦笑しました。
 
すると泉の中から
中肉中背の女の人が現れました。
その女の人は、
意味深な笑みを浮かべて、二人に言いました。
「その願い叶えてあげましょう」
 
一寸法師は、一般的な女の人の持つ
小槌で体がどんどん大きくなりました。
ガリバーは、何の変哲もない女の人に
一枚の地図と船をもらい、そこに行くように言われました。
 
一寸法師は、大きくなった体で
たくさんの鬼を退治しました。
人々は、彼を一寸法師ではなく桃太郎と名付け
一寸法師改め桃太郎は
この幸せはあの普通の女のおかげだと
旅をする町々で
中肉中背の女の像を建てていったそうな
 
ガリバーは、地図に書いてある場所へ
地図を片手に旅立ちました。
船で地図に書いてある島へたどり着いたとたん
ガリバーの体が小さくなってしまいました。
ガリバーはたいそう喜んで
その島の人々の病を癒していったそうだ。
そして、その島の至る所に
中肉中背の女の人の像を建てて奉ったそうだ。
 
それすらもが伝説になった頃
 
泉の中肉中背の女は言いました。
 
「もう泉からでてきてやんないんだからぁ。」
 
END

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