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飲んだくれながらフェイダーを上げたり下げたり。幕が閉まると観客が地明かりを求めます

04.25.13:27

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11.16.16:59

小説更新「かえる役者 倫理からの逃亡劇」
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小説更新します「かえる役者 倫理からの逃亡劇」

あれしたい これもしたい もっとしたい もっともっとしたい

って年頃は素敵だ。

でも、道を間違ったらいけないよ。

それがどんなにSOSだったとしても。

そんなお話。 

 かえる役者 倫理からの逃亡劇
 
作 あるとにあ
 
むかしむかしあるところに、毎日がお祭りばかりの村がありました。お祭りばかりの村では、ほぼ毎日がお祭りなので、村人以外の人も多く、毎日がにぎわっている村でした。そんな村に、いつも目立つ服ばかり着ている女の子がいました。どんな服かといいますと、昨日なんかは男性用ワイシャツを着て、真っ黒のブカブカでダブダブのズボンに、赤色チェックのチョッキを着ていました。その姿は、マジシャンか、バーデンダーそっくり。しかも、その女の子は髪の毛が短かったので、女の子よりも男性に見えました。しかし、背が小さかったので間違われることはなかったのですが。余談がすぎてしまいました。話を戻しましょう。一昨日なんかは、上の服も真っ黒の長袖に下は長い真っ黒のロングスカート。黒のタイツを履き、真っ黒のブーツをこつこつ鳴らしながら村人にお菓子をねだっていました。極めつけは、つい一週間前、朱色の着物を着ていました。が、着方がわからなかったのでしょう。帯はグズグズだし、着付けの向きが逆だったので、死体の着物になっていました。それに気づいた人はひそひそ笑っていましたが、女の子は気にも留めていませんでした。
 
 そんな目立つ服ばかり着る女の子の今日のファッション気になりませんか?橋の女の子が着ている服はといいますと、なんと上下とも緑なんです。もっと正確に言えば、上が若葉の色で、下が夏の太陽を浴びている桜の葉の色なんです。袖は大きく開いていて水かきみたいですし、指の先まで隠れてしまうほど長いんです。丸くて大きなボタンが六つ付いていました。靴下は、お茶っ葉の色をしていましたし、靴もグリーンな色でした。そのぶかぶかの袖を振り回しながら毎日がお祭りばかりの村の屋台をすり抜けていきました。ピョンピョンぴょこぴょこゲーロゲロっと飛び跳ねながら人と人との間をピョンピョンぴょこぴょこゲーロゲロとすり抜けて行きます。それでも、人の足跡も大声も波も収まることをしりませんでした。
 
女の子が通り抜けた後の人の波は一瞬だけどよめきます。お世辞ではないのですが、女の子はけして人々が振り返るほどかわいくはありません。しかし、女の子が通れば人の波は振り返ります。ある波々は、女の子を見て笑います。そこから少しはなれたところでは、驚いた顔がちらほらと。しかし、女の子はそんなものには目もくれずどんどん先に進んでいきます。美味しそうな屋台の焼きそばも、フライドポテトも、金魚すくいも、的当ても、女の子はそんなものには目にもくれずどんどん先へ進んでいきます。そのうち人の波はなくなっていきました。
 そんな女の子はどんどん村の外へ向かって進んでいきます。ピョンピョンぴょこぴょこゲーロゲロと飛んで跳ねて進んでいきます。女の子は、村の外と内側の境まで着ました。そこにはもう人はいません。外へ出るための柵に手をかけたときでした。
 
「みーつけた」
 
かまってちゃんな女の子の鬼ごっこは女の子の負けで笑顔のうちに終わりました。
そして、明日も緑の服を着ることでしょう。
 
END

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